イラク人人質事件とblog

普段巡回している日記、blogでも連日取り上げられ、世論の関心の高さだけは実感できた数日間でした。新たに二人の日本人が拉致されたらしいのでまだまだ予断を許さない状況のようですが。
blogは新しい形のジャーナリズムと呼ばれている割に、デマも噂も偏った世論の声も同列に扱われているような感覚にいまいち慣れません。ハイパーリンクトラックバックのお陰で一億総2ちゃんねる化が顕著になってしまったかのようです。
断片的な情報の中で意見を錯綜させる皆さま方の心意気がよくわからなくなってしまいました。「どうか無事に」という言葉ですら「同じ国籍の人間だけ助かればいいのか」とか「グローバルな博愛主義を気取るなら全財産をユニセフに寄付しろ」というツッコミの方法だけ覚えていってしまうという無駄無駄無駄の極限。こんな状態で人に優しくなんかなれるわけがありません。冷蔵庫をくり抜いて息だけが出来る空間に身を潜めよう団体が生まれるのもなんとなくわかったり全然意味がわからなかったり。
それはそれで「面白い」という自分も居るのですが、今回の事件を楽しむべきものではないという己の別の心がこう言うのです。


普段生活している中で、「イラクに赴き活動していた日本人が拉致されて自衛隊撤退を求められて政府は否定し、結果的に犯行グループは目的を達しないまま3人を解放した。」以外の、「ヒミツの大計画!」などの噂を追いかける必要はあるのですか。龍成が今までやってきた世間へのバカ意見の垂れ流しは罪悪です。死になさい。
死ぬならせめて社会にお礼をしてから死にたいものです。*1
WWWであの3人の自己責任論が飛び交ったりしなければ、そのご家族への嫌がらせがこんなに早くから起きなかったのではないだろうかと思うと、どうもそっち方面の、ウェブログのネガティブな部分を強く意識してしまいます。これはどんな立場の人間にも言えることではないでしょうか。「戦争はやめてー」みたいなロマンチックな言葉でも、それを集めて誰かにブツければ殺してしまうことも出来るくらいの威力を持っているのでは、と、今回の件で強く思うようになりました。

*1: オトシマエという意味ではありません。