キーワードとは何か

キーワードがどうあるべきかをユーザーに任せるのであれば、一人一人のキーワードの定義に充足する広義的な運用が望ましいのだが、どうもそうではなくなりつつあるようだ。
これまで大多数の使い方とは違う使い方をしていた人々が、アンケート等で決められた使い方を強いられれば、それはユーザーの意向を反映しているのではなく、コミュニティの意向に反映しているのであり、ひいてははてな運営者にキーワードの使い方を制限されたのと大して違いが無い。
ではそうあるべきか否かということだけれども、はてなの使い方の左右に権限があるのは所有者である株式会社はてなだ。多数が占めた使い方のみ汲み取るか否かを判断するのは結局のところ彼らに他ならない。従って彼らと交わした契約に準拠しているユーザーにすぎない私は、コミュニティの意向ではなく、株式会社はてなの意向に沿うより仕方が無い。
さて、私にとってキーワードとは何であろうか。
それは索引するための語であり、文章を理解する上で欠かせない要素である。従って「あ」であろうともキーワードである、という考え方をしている。実際、「あ」を辞書で引くと沢山の説明で溢れている。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A4%A2&kind=jn&mode=0&jn.x=18&jn.y=9
巷で言われる「誤爆」や「有益性」であるが、要は文章中の自動リンクレンダリング的に目立ちすぎるからウザいと思われたり誤爆がとても気になったりするだけだと思っている。
意図的に目立たせたい自動リンクは、ユーザー自身がタグや独自コマンドなりで強調すれば良いのであって、まずはデフォルトでどんな言葉でも自動リンクはされるものだという前提においてしまえばいい。
「なっち」と「なっちゃう」が二つ登録されていれば誤爆が起きないように、キーワードの説明があろうと無かろうと、とにかく言葉という言葉を片っ端から登録することが問題解決の近道になろう。
名詞だけなどと制限をしたりしていれば誤爆は減りようがない。自動リンク自身が文章を形態素解析出来ればその限りでは無いけれども、文章を書く側であるユーザーが正しい日本語を使えればという条件が必要となり、私の文章でもわかるとおりそれは無理であり、誤爆は避けられなくなる。
あと、そのように片っ端から登録してはシステムのリソースが足りないという問題がある。だがそれははてなが解決しなければならないことであって、私達が配慮する必要は全くない。むしろがんがれがんがれと尻を叩いてリソースの増強を応援しなければならない。使い勝手が悪いのを我慢するのは優しさだが、はてなの未来には何も貢献していない。
最近、攻殻機動隊の続編である映画「イノセンス」を観てきたのだけれど、登場人物たちは外部記憶装置から名言を一瞬にして検索し、口にしていた。ぶ厚い哲学書であろうとも、そこの一部の名言を誰かが取り出したという記録、データがあるからこそ実現するのである。「いかりや長介」で自動リンクされても「次行ってみよう」でリンクされないはてなのキーワード機能には到底実現不可能であろう。
というわけで、ここまで私が思うキーワード機能の理想形を述べさせてもらった。だが実際、はてなのキーワードは既にその方向性を私の理想とは違う方に向いているようだ。
ただし、今のシステムであっても有難く使わせて頂いていることだけは間違いない。