考古学

すごく古い時代にもそのもっと古い時代を研究する人間は居た。
その人は後世に歴史の真実を残そうと頑張った。よくやった。
しかし、今の考古学者は彼らが遺した資料に疑問を投げかける。
「本当はこうだったんじゃないだろうか」
「この歴史書には恣意的な作為が感じられる」
今の考古学者は未来の考古学者にこう言われる。
「当時の考古学者は金目当てで歴史を作り上げていたのではないだろうか。」
今の考古学者は頑張っている。よくやっている。
ただ、一人ないし二人の、悪意ある考古学者が居るのだ。
数百年前の、数千年前の、歴史家にも、一人ないし二人の、悪意ある考古学者が居るのだ。
その、一人ないし二人の、歴史偽造者のために、未来の考古学者はメシノタネに困らない。
考古学者の存在そのものが、人の嘘の歴史を物語っているのかと思うと、とても人間臭くて、ボクはいとおしく思えるのだ。