平成十五年三月二十日

今の世界情勢の問題は、大量殺戮兵器による被害の根絶を理由にした戦争を容認していることなのかもしれません。武器が核だろうと、銃だろうと、武力行使がもたらすのは次の武力行使のためのキッカケであり、恐怖にかられた暴走を止められなくなります。長崎は戦争反対というよりも、人間の内々にある狂気を知るべきだというメッセージなのでしょう。

知つたからと言つて、人間の内部にある狂氣は無くならないのだが。
武力行使がもたらすのは次の武力行使のためのキッカケであるとしても、では、平和の齎すものは一體何なのか。平和のキッカケだらうか。しかし、平和主義者の言ふ平和は、結局のところ、虚無なのではないか、と私は思ふのである。
何もしないよりは惡い事をした方が善い。と、たしかグレアム・グリーンが言つてゐる。